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いびつな政策形成手法から今こそ脱却すべきだ 官邸ではなく各省主導による政策革新が必要

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今後の岸田政権の浮沈は、官邸の危機対応と並行した各省の能動的な政策革新に懸かっている。

閣議に臨む岸田首相(左から2人目)ら閣僚(写真:毎日新聞社/アフロ)

参議院選挙は与党勝利の結果に終わった。野党では、日本維新の会が議席を大幅に増やしたが、自公与党と厳しく対立する立憲民主党と日本共産党の退潮が目立ち、一見、今後与党有利の国会運営となりそうな気配である。

だが、投票日直前に安倍晋三元首相が暗殺され、安全保障を軸に据えた外交、金融緩和によるアベノミクスといった争点で政権を揺さぶった大きな柱が急に消滅した。与党内が流動化する中で、政権は断固たるリーダーシップを発揮しなければならなくなった。

昨年10月の発足後、岸田文雄政権は安倍・菅義偉政権の政策を継承しつつ、名称を付け替えて徐々に新しい政策を打ち出すという手法を採った。同じ枠組みでの政権の継承であり、とくに前政権を否定したわけではない政権である以上、自然な政策作成の手法である。例えば、地方創生がデジタル田園都市国家構想になり、デジタル化を大きな柱として地域振興事業を行うことになっている。

だが、これでは新味を出せるとは言いがたい。新味のある政策として華々しく打ち出された「新しい資本主義」も、その内容は当初の分配優位のものではなく、これまでイノベーション政策として提示されたものがほとんどである。

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