10歳の子供が「手紙1枚」で大儲けした秀逸な方法 「ケインとアベル」に学ぶマーケティング思考

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健気な子どもからの手紙を受け取ったマッチメーカーは、「送料はうちの負担でいいから、ありったけのマッチ箱を送ってやろう」となりました。

ケインはそうやってアメリカ中から集めたマッチ箱を放課後、友人にオークションで売りさばきます。そして、貯めたお金を今度は株式投資に注ぎ込み、さらに儲けるわけです。それが当時の私にとってとてもインパクトがあり、今でもエピソードを細部まで語れるくらい深く記憶しています。

こんなエピソードもありました。ボストンの駅に旅行客が到着したとき、駅からホテルまでたいした距離ではないにもかかわらず、大勢の人がタクシーを利用していることに気づきます。

「商売をやるのに年齢は一切関係ない」

これは「商売になる」と考えたケインは、中古の手押し車を買います。駅から出てくる旅行客に「ほとんどの人がタクシーを利用しますが、ホテルまではタクシーで行くほどの距離ではありません。僕が手押し車で荷物を運びましょう。代金は、タクシー代の半分で構いません」と話し、どんどん客を獲得していきます。

客を奪われたタクシー業者からクレームが相次ぐようになると、ケインは荷物を運ぶ事業を丸ごとタクシー組合に買い取らせたのです。

こうしたケインのエピソードから、「商売をやるのに年齢は一切関係ない。ビジネスセンスがあればお金を生み出せるのだ」と痛感させられたのです。一方のアベルも、恵まれない環境にありながら才覚一つでのし上がっていく。そんな2人の姿が本当にかっこよかった。

私はがぜん商売に興味を持つようになり、世の中のあらゆる商売がどういう仕組みで儲けているかを勉強するようになりました。以来、『ケインとアベル』は私のバイブルであり、マーケティングの教科書になっています。

私は大勢の中で目立つには、相手の心理を先読みしながらどうしたらどんな気持ちになり、どういう行動につながるかを推測し、そのうえで自分にスポットライトが当たるように仕掛けをしていくことが大切だと思っています。誰もが考えつくような方法では、せっかく相手の心理を読めたとしてもその他大勢からは抜け出すことはできません。人がやらないことをするから相手の印象に残るのです。とはいえ、起業当初は余分な資金がないので、お金がかかる仕掛けは打ち出せません。

では、どうすればお金をかけずに目立ち、相手の心を動かせるのでしょうか。

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