bZ4X/ソルテラ比較でわかった日産BEVの実績値 リーフで培った経験が「アリア」に生きていた

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インテリアデザインは、アリアはモダン、bZ4X/ソルテラはスポーティという印象だ。

アリアの横長のデジタルディスプレイはほかにも採用例はあるが、メインスイッチを入れるとメーター下やセンターコンソールの木目調パネルにアイコンが出現し、これがスイッチになる点が新しい。しかも、タッチパネルではなく、確実なクリック感もある。かなり凝ったインターフェースだ。

木目調パネルに浮かび上がる「ハプティクススイッチ」(写真:日産自動車)

インパネとセンターコンソールが完全に分かれていることは先にも書いたとおりだが、そのセンターコンソールは電動で前後スライド可能としていることも特徴的だ。

bZ4X/ソルテラでまず気づくのは、ステアリングの上から“遠くのメーターを見る”という運転環境だ。プジョーでおなじみの方式だが、小径で長方形に近いステアリングを使うプジョーと比べると、bZ4X/ソルテラのステアリングは一般的な形状なのでメーター下端が隠れがちだった。

2021年10月の車両概要発表時に写真で紹介されていた、飛行機の操縦桿を思わせるU字ハンドルを前提としたレイアウトかもしれない。

トヨタが「トップマウントメーター」と呼ぶメーターレイアウト(写真:トヨタ自動車)

リーフで培ってきた実績が生きている

もう1つ、bZ4X/ソルテラに乗っていて気になったのは、バッテリー関連の情報がバーグラフと走行可能距離だけで、アリアにある%表示がないことだ。

走行可能距離はエアコンのON/OFFで変わるし、下り坂ではエネルギー回生のおかげで数字が増えていくなど、変動が激しい。その点、%で表す残量は、状況に左右されないので重宝する。

充電時は、充電器に%表示が出ればいいのだが、それがない場合はどのぐらい充電されているかわからない。「50%まで5分」などの情報がメーターに表示されるアリアのほうが親切だ。

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最近のBEVはバッテリーが大容量なので、30分の急速充電では80%充電にならないこともある。ゆえに一部のメーカーでは、必要な分だけこまめに充電する使い方を奨励している。だからこそ、リアルに充電の程度がわかる情報が欲しい。

乗り心地については、アリアには固さがあり、bZ4X/ソルテラのほうが快適だったが、加減速やハンドリングのしつけは、アリアが上手だと感じた。

トヨタの豊田章男社長はテレビCMで「EVも燃料電池も全部本気」と言い切った。しかし、筆者がむしろ感じたのは日産の本気だった。しかも、同社にはリーフを2010年から12年にわたって作り続けてきた経験と実績がある。「この差は大きい」というのが正直な感想だった。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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