「ワクチン接種義務化」に踏み切らない中国の事情 ゼロコロナ政策を堅持する方針の習近平
ワクチン接種についての合意の有無は不明
他国への国産コロナワクチン供給を強調する中国指導部だがゼロコロナ政策の出口戦略に向かう工程表はなく、政治資本をワクチン接種に振り向けようとはしていない。習政権が権力を行使したくないのかワクチンの有効性を巡りコンセンサスが形成されていないのかは不明だ。
習主席は先月、ゼロコロナ政策を堅持する方針をあらためて示し、中国国内で「集団免疫」を目指すことはないと表明。バイデン米大統領やサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は2020年、カメラの前でワクチン接種を受けたが、中国外務省は習主席がワクチン接種を受けたどうか明らかにしていない。
米外交問題評議会(CFR)の黄厳忠シニアフェロー(グローバルヘルス担当)は北京市のワクチン接種義務化計画について、習主席から明確なシグナルがなかったため、同市には独自政策を打ち出す余地があったと指摘。「分断された権威主義」のアプローチであり、「ワクチン義務化が周知されると、市民の反発だけでなく、中央政府からの反対があった可能性は高い」と語った。政策の180度転換はワクチンに関する広範な政治的コンセンサスがないことを反映しているとも説明した。
原題:Xi’s Covid Authoritarianism Meets Red Line at Vaccine Mandates (抜粋)
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著者:Bloomberg News
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