地元の足から「アトラクション」に、DMVで大変身 阿佐海岸鉄道が導入「世界初」車両の乗り心地は

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宍喰駅は中間の駅であるが、阿佐海岸鉄道唯一の有人駅、ここから土曜・休日にしか運行せず、しかも1日1本の、海の駅とろむ行きに乗車した。終点の海の駅とろむでは、やはり週末のみ営業というキッチンカーでむろとうどんを食べ、折り返し便で阿波海南へ戻ったのである。阿波海南着は15時2分、16時8分の牟岐線に乗り継いで徳島に到着したのは18時11分であった。阿波海南駅では、バスから鉄道へのモードチェンジを見学した。

沿線最大の見どころである室戸岬で下車しておらず、阿波海南文化村に入館したわけでも宍喰温泉に日帰り入浴したわけでもないのに、徳島起点で阿佐海岸鉄道の鉄道、バス全線乗車にはたっぷり1日を要したのである。

ローカル交通なのに地元住民は利用しない?

運行形態はローカル鉄道とローカル路線バスを合体させたようなものであるが、利用に際しては気を付けなければならないことがある。それは予約制であることだ。もちろん空席があれば予約なしでも乗車できるが、満席の場合は乗車できない場合もある。予約は阿佐海岸鉄道のウエブサイトから「予約」をクリックすると高速バス予約サイトの「発車オーライネット」に画面が切り替わる。高速バス予約同様の方法でクレジットカード決済される。

たとえ隣の駅まで200円の区間であっても、満席なら乗車できない場合があり、実際、筆者が乗車した日も、満席の便が複数あった。乗車時には予約ありの客を先に乗せてから、空席に予約なしの客を乗せる。運転士はタブレット端末で予約状況を把握していた。

高速バスと同じ予約システムを使っているため、同じ便に複数の予約が入ることもない。たとえばある人が阿波海南から宍喰までの予約をした場合、宍喰から先は空席となるが、かといってその席に宍喰から甲浦までの予約はされない。さらに、バス区間のみの予約は受け付けていない。予約をする場合、必ず鉄道区間が含まれなければならない。これらが旅程を考えるときの難点で、その日の気分で途中下車する気まぐれローカル鉄道・バスの旅といった計画を立てても、満席で乗車できないというリスクがある。

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