結婚13年、育ちの悪い夫の実家と絶縁状態に 下品な嫁ぎ先への嫌悪感をどうすればいいか

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このサイ子亡きあと、「ゴミ屋敷の現場」を見て驚いた私が一念発起し、数日かけて大掃除をしました。大きいほうのゴミ袋3つに、何個もだぶっている古いキッチン用品などを全部詰めて庭に出し、カーテン・夏用敷物、布団カバーから小型ダンスまで、すべてわが家の新品同様のカラフルなものに変身させました。

すると五美子から、怒りの電話が来ました。「あれもない、これもない。なぜ勝手に捨てるのー!」。先端が腐って朽ちた木製のしゃもじまで「あれがいちばん使いやすく、私の宝やのに、どうしてないの?」と叫んでいます。

そこで私は、「全部ナイロン袋に収めて庭に飾ったから!」と答えました。捨てた、という表現は使いませんでした。

望まれないことはしない、正義も押しつけない

さてエンジェルですが、その姑にあたる五美子にささやかなことをすると、エンジェルからお礼の電話が入るのに、カーテンから敷物まで新しくなった部屋については、お礼も言い訳も弁解もありません。それが聞きたくて掃除したわけではありませんので全然構わないのですが、内心、「エンジェルを休んでいるのかな?」と思っていました。

エンジェルは掃除上手で料理上手。生地から手作りのピザなど、絶品です。引退した五美子を連れて2人で旅行するのも、病院の送り迎えそのほかも、すべてエンジェルがします。嫌でも彼女は義母宅に出入りするのですが、ゴミ屋敷のことは一切ノータッチ・ノーコメントです。

ある日、私はこう言ってエンジェルを試しました。

「あなたのお義母さん、ホントしようのない人ね」(私)

「まぁ、オホホ。心のきれいな人ですよ」(エンジェル)

エンジェルちゃん、少しでも疑ってごめんなさい。その短いひとことですべてを悟りました。サイ子(五美子の姉)の言うとおり、当初、彼女は本家の掃除をしたことでしょう。そして五美子は長男の嫁のエンジェルに迷惑をかけたくないこともあり、姉のサイ子以上にこっぴどく、「今後は構うな」と、しかったハズです。

エンジェルは平凡な家庭で育ちましたが、「育ちや行儀のよさ」とはこのようなことかと、彼女の”余分なことはいわず、できることは心を込めて”という、裏表のない行為にいつも感心します。

彼女はひと言も説明しませんが、「清潔なのはいいことだが、それができない人には強要せず、嫌がられることには干渉しない」という割り切り方を、ほかの十分すぎる行為で教えてくれています。

肉体労働が人生の大半だった五美子は世間が狭く、話題はテレビのワイドショーかあなたの姑さんと似たようなもので、他人の悪口です。しかし、確かに駆け引きのない心のきれいな人で、誠実に生きている人です。

聖母大エンジェル(エンジェルの実母)も、ゴミ屋敷の主のことを、「娘は姑にも恵まれた」と仰るのですが、五美子の奥の方に隠れて、普通の人にはなかなか見えない長所を見ることができ、外見だけで五美子を判断しないエンジェル母娘に感心しました。

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