松本明子さん「空き家の放置はこんなにもマズい」 雑草に動物…損害賠償請求されるケースも

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松本:その場合の賠償額はどれくらいになるものなんですか。

上田:公益財団法人日本住宅総合センターの試算(空き家[放置家屋]事例「空き家発生による外部不経済の実態と損害額の試算に係る調査」)によれば、人が亡くなったりすれば、数千万円から数億円に及ぶ可能性があります。

小さいお子さんが犠牲になった場合などは将来得られたはずの収入(逸失利益)が考慮されるので賠償額はかなり高額になると覚悟したほうがいいです。

松本:空き家を放っておくと重い責任を背負い込むことになるんですね。

上田:そういうことなんです。

空き家の管理は、体力も気力もお金も消耗する

松本:だからこそ空き家の管理はちゃんとやらないといけないわけですね。

上田:その通りです。ただし実際には「そのちゃんと管理する」というのが難しい。考えていたよりも大変なことが多いからです。

最初にイメージする空き家の管理というのは、みなさんだいたい同じで「窓を開けて風を通してさっと掃除をするために1カ月に一度程度通えばいい」というものです。とても簡単に考えているわけです。

ところがいざやってみると、想像以上に時間を食い、気力も体力も消耗する。お金もかかる。夏場の草刈り、草むしりは暑さや虫との格闘で、庭木も本数があれば、秋冬は大量の枯葉掃除で一苦労です。

空き家によっては道路からポイ捨てされた空き缶や菓子袋なども拾わないといけない。そのために交通費をかけて実家まで帰るわけです。近ければいいですが、遠い場合はその費用も大変な負担になります。

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松本:そうなんですよ、思っていた以上に大変なんです。

上田:そうなると最初は1カ月に一度通っていたのが、2カ月に一度になり、やがて3カ月に一度、半年に一度になって、足が遠のいてしまう。

管理されずに放置されたジャングルのような空き家は、そのほとんどがこのような段階を経て発生します。

もっとも、最初から放っておけばいいやという空き家の所有者はまずいませんし、周囲に迷惑をかけても平気でいる所有者もごくわずかです。ほとんどの人は空き家を適切に管理したいと思っているし、実際に必要な管理を行なっている人が圧倒的に多い。ジャングルにまで至るのは本当にレアケースです。

松本 明子 タレント

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まつもと あきこ / Akiko Matsumoto

1966年生まれ、香川県高松市出身。82年に日本テレビ系『スター誕生!』チャンピオン大会合格を機に歌手デビュー。その後、日本テレビ系バラエティ『DAISUKI!』や『進め!電波少年』などで人気を博し、元祖バラドルとしての地位を確立する。独り暮らしを始めた19歳の頃から、本格的な節約生活をスタート。「ストッキングをインナーとして再利用」「楽屋のお弁当は必ず持って帰る」などの徹底した節約ぶりがテレビなどのメディアでたびたび取り上げられ「芸能界の節約女王」と呼ばれる。現在も、日々の暮らしの中で創意工夫を重ねながら節約を楽しむ「ケチ道」にまい進し続けている。

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上田 真一 NPO法人空家・空地管理センター代表理事

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うえだ・しんいち / Shinichi Ueda

1984年生まれ。米オハイオ州立大学卒業後、リクルートを経て2013年空家・空地管理センター設立。北斗アセットマネジメント代表取締役兼務。著書に『あなたの空き家問題』。

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