「他撮りアプリ」が10代米国人の心を捉えるワケ アンチセルフィーがコンセプトの「Poparazzi」
そして、友達のプロフィールを見れば、友達が自分以外の人といるときの過ごし方を見ることができる。友達の意外な一面がそこにあるかもしれない。
自分に関しても同じだ。友達というフィルターを通して、自分を見つめ直せる。自撮りでは自然に顔を作ってしまうが、他人が撮る写真には普段の表情が写りやすい。自分が知らない素の自分がPoparazziで確認できる。
SNSの醍醐味とも言えるタグ付け
Poparazziを楽しむためには、リアルな友達とつながることが大事だ。つまり、「リア充」のアプリだ。
しかし10代であれば、同級生や友達と過ごす時間が長いため、撮影のチャンスは多い。Instagramでも、10代の投稿には一人で映っている写真は少なめで、ストーリーズだと友達だけを撮影してタグ付けすることも珍しくない。私が見ている範囲は国内だが、海外のほうがモノより人物を載せる傾向があるため、もっと友達の出現率が多いことが想像できる。
Poparazziに投稿するには、写真や動画を選び、映っている友達を「ポップ(タグ付け)」する。すると、相手のプロフィールに、相手と自分の名前が入った投稿が表示される。プロフィールの投稿を見ていくと、その人が誰といたかがタグ付けでわかる。タグ付けされた人には通知が行き、InstagramのストーリーズやSnapchatに投稿をシェアできる。
つまり、Poparazziのメインはタグ付けとも言える。タグ付けの楽しさは、Facebookに馴染みのある世代なら想像できるだろう。
例えば、親しい友達の魅力をほかの人にも知ってほしいとき、タグ付けをして投稿する。その魅力が漠然としているときもあるかもしれないが、「小学校からの友人と再会」というだけでもタグ付けして紹介したくなる心理がある。
また、自分がこの人と一緒にいたことを知らせたい、楽しい時を過ごしたことを広めたい、といったケースもある。「今日は有名なこの人と会えた」などを自慢するタグ付けだ。
タグを見れば、友達が一緒にいた人のプロフィールを見られる。
Poparazziを通じて、友達と友達がつながっていく。しかし、Poparazziでつながるだけでは何もできない。実際に会って、相手の写真を撮らなければ、周囲につながったことを共有できないのだ。
ネットを通じて知り合いを増やしたとしても、重要なのはリアルでの交流だとするPoparazziの設計にぶれはない。
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