総点検、パウエルFRB議長の米下院証言の「きも」 理事の多くも7月の0.75ポイントの追加利上げを支持
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、インフレ抑制に対する自身のコミットメントは「無条件」のものだと述べた。ボウマンFRB理事も7月の0.75ポイントの追加利上げを支持すると表明した。パウエル氏が証言した議会公聴会では、民主党議員から利上げがリセッション(景気後退)を招きかねないと懸念が示された。
7月のFOMCでは0.75%の追加利上げへ
パウエル氏は23日に下院金融委員会の公聴会で「労働市場はある意味、持続不可能なほど熱気を帯びており、今の状況は米金融当局のインフレ目標からかけ離れている」と証言。「物価安定を取り戻すこと、インフレ率を目標の2%に戻すことが真に求められている。それがなければ、最大限の雇用を持続的に一定期間達成することはできないからだ」と述べた。
連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の定例会合で、主要政策金利を0.75ポイント引き上げることを決定。パウエル議長は決定発表後の記者会見で、7月の会合でも0.75ポイントないし0.5ポイントの追加利上げを決める可能性が高いと説明していた。
ボウマン理事は23日、マサチューセッツ州銀行協会での講演で、7月のFOMC会合での0.75ポイントの利上げを支持すると述べ、その後の会合では複数回の0.5ポイント利上げが適切になるとの見方を示した。
ウォラー理事も18日、経済指標が自身が想定する通りの内容なら、追加の0.75ポイント利上げを7月FOMCで支持する姿勢を示した。
これまでハト派に属していたミネアポリス連銀のカシュカリ総裁やシカゴ連銀のエバンス総裁も、0.75ポイントの利上げ幅を7月会合で議論するのは適切だとの見解を示している。
FOMCは今年に入ってから政策金利を計1.5ポイントを引き上げた。金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)では年内にさらに1.75ポイント程度の利上げが見込まれている。
当局の姿勢のシフトを受け、投資家の間ではリセッション懸念が強まっている。パウエル氏は22日の上院銀行委員会の公聴会で、そうした「可能性があるのは間違いない。われわれが意図する結果では全くない」と発言。インフレ率を2%の目標に引き下げるためにリセッションを「引き起こす必要があるとも考えていない」と話した。