酒に酔い「警察に保護」迎えに来た臨月の妻の一言 39歳で二度も警察に保護された男性のその後

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妻に促されてさくらの木クリニック秋葉原を受診したとき、大輔さんは医師にこう主張したそうです。

「僕は、お酒のことを四六時中考えているわけではないし、毎日飲みたいわけでもありません。お酒は、友だちとの楽しい食事をするための材料という位置づけですから、アルコール依存症ではないと思います」

それに対する医師の返答はこうでした。「アルコール依存症は、いつも飲んでいる人のことではないんです。飲むと止まらなくなる人のことを指すのです。『ブレーキの壊れた車』のようなものです。ですから習慣飲酒をしない依存症の人もいるのですよ」

大輔さんは、その言葉が胸にストンと落ちたと話します。

「それに加え、妻から減酒に関する本を2冊渡されて、『読んだ感想を報告しなさい』と言われたんです。壮絶なアルコール依存症の体験談を読みながら、行き着くところまで行くと、心と体の両方を壊すんだと怖くなって。当時37歳で、そろそろ健康にも不安が出てくる年齢だし、子どもも生まれるので、お酒をもう少しコントロールしたほうがいいのかなと、減酒に前向きに取り組むことに決めました」

1杯飲んだら水を1杯飲むルール

大輔さんは、次のようなマイルールで減酒を進めています。

・休肝日はとくに決めない
・1杯お酒を飲んだら、必ず水を1杯飲む
・2カ月に1回の通院をして、減酒アプリの結果を医師に報告する

「お酒と水を交互に飲むルールは、ユニークですよね。アルコール分が水で薄められるし、胃の容量がすぐいっぱいになるので、お酒をたくさん飲めなくなります。急速に酔わなくなる効果もあります。

また、便利だなと思ったのは減酒アプリです。自分が何杯飲んだかを数値で認識できるので、客観的に把握しやすい。飲み会のテーブルで減酒アプリに入力しているので、『飲みすぎだから、今日はやめておこうかな』とブレーキになります。最初は同僚には、『アプリで管理しているんだ』と話のネタのつもりで見せてたんです。でも、アプリに入力しながら飲んでいる僕の姿を見て、誰もしつこくすすめてこなくなりました」

そんな日々が続いたのち、コロナ禍で飲み会がすっかりなくなり、自宅にいることが多くなった大輔さん。この機会にワインを試してみようと思い立ったことが大きな転機となりました。ワインにすっかり魅了され、結果的に減酒につながったのです。

「ワインは口に含むタイミングや温度などによって、同じ1本でも味わいが変わるんです。食事と一緒に飲むときと、単体でいただくときとでも違います。鼻から抜ける香りも上品で、気持ちがやわらぐのも魅力。食事をしながら、ワインをチビチビ飲んではうっとり堪能しているので、食事時間は1〜2時間かかってしまうほどです。

よく考えたら、人生で飲める量は限られているでしょう。以前は、飲めるお酒なら何でもよかったんですが、今は、どうせ飲むなら、安いお酒よりもおいしいワインがいいと思うようになりました。飲み会に誘われてもビールと水を適当に飲んで1次会で帰り、家でワインを楽しんでいます。結果的に、以前と比べて飲酒量は半分以下になったと思います」

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