「ブロックチェーン」知らないと損する重要背景 記録が改竄できず、ギグエコノミーと違う理由

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ビットフィネックスの事例において、犯人は盗んだ仮想通貨を複雑な取引を介して隠そうと試みましたが、米当局による追跡捜査により犯罪に関与したとされる2人の容疑者が管理する取引所口座を特定しました。

司法省は、発表時の声明の中で「仮想通貨が犯罪者たちにとっての安全な避難先ではなくなった」と宣言しました。

取引記録に関する合意形成で重要な2つのアルゴリズム

まずは、「ステーキング」を理解するうえで、取引記録にまつわる合意形成に関する2つのアルゴリズムであるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の違いについて押さえましょう。ブロックチェーンは「みんな」で取引記録の台帳を管理するため、合意を得る必要がありますが、ブロックチェーンごとにそのルールが異なります。

時価総額1位のビットコインが採用しているのがPoWです。世界中に個別に存在する「見知らぬ」コンピューター同士が取引記録の承認をめぐって合意するマイニングという仕組みがビットコインのネットワークを支えています。PoWは、マイニングを機能させるための経済的なインセンティブを定めたアルゴリズムです。

マイニングとは、コンピューターを使って難解なパズルを解くことでブロックをブロックチェーンに追加する作業です。これは、具体的には、ハッシュ値という64桁の数字とアルファベットの羅列を探す演算競争なのです。

ハッシュ値には一方向にしか演算できないという特性があり、ハッシュ化されたデータから逆方向に元データを推測することは、現在のコンピューターでは不可能といわれています。

この点が、ブロックチェーンの記録は改竄不可能といわれるゆえんです。

64桁の数字とアルファベットの羅列であるハッシュ値に関する話は数学や暗号学が関連するので難しくなりますが、マイナーが条件を満たすハッシュ値を見つけるには「スピード」と「運」が必要と覚えてください。このため、マイニングを事業とする場合、処理能力の高い複数のコンピューターを同時に稼働させて、「どれかが当たる」確率を上げようとするのが通常です。このため、マイニングには大量の電力が必要なのです。

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