「ブロックチェーン」知らないと損する重要背景 記録が改竄できず、ギグエコノミーと違う理由

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ブロックチェーンの基本から解説します(画像:花火/PIXTA)
近年、話題に上ることが多くなったブロックチェーン。いったいどういうものなのでしょうか。理解するために押さえておきたいこととは?
DAO(分散型自立組織)、NFT(非代替性トークン)、ステーブルコインほか、仮想通貨とWeb3をめぐる最新の動向をアメリカ大手暗号資産取引所の日本代表・千野剛司氏が解説した『仮想通貨とWeb3.0革命』から一部抜粋、再構成してお届けします。

パブリック・ブロックチェーンと
プライベート・ブロックチェーン

ブロックチェーンには、大きく分けて2つの種類があります。パブリック・ブロックチェーンとプライベート・ブロックチェーンです。特に断りのない限り、ブロックチェーン=パブリック・ブロックチェーンのことを指して解説していきます。

パブリック・ブロックチェーン型とは、管理者がおらず、世界中の誰もが許可なくブロックチェーンのネットワークに参加できる仕組みを指します。

採用するのは、ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨やテザーなどのステーブルコインです。そもそもブロックチェーンの起源には金融包摂(フィナンシャル・インクルージョン)という概念があり、国や企業に選ばれた者しか参加できない金融システムではなく、全ての人に開かれた金融システムの構築を目指しています。

対照的にプライベート・ブロックチェーンは、管理者が存在し、ブロックチェーンのネットワークに参加できる人や企業を限定します。例えば、2021年の2月に、三井物産デジタルコモディティーズが金連動の仮想通貨ジパングコイン(ZPG)を発行すると報じられましたが、基盤となるのはビットフライヤーが開発するプライベート・ブロックチェーン「miyabi」です。

また、JPモルガンが発行するJPMコインは、イーサリアム基盤のプライベート・ブロックチェーン「Quorum」を基盤にするステーブルコインです。

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