【産業天気図・非鉄金属】円高・銅価の不安あるが、収益急落の可能性は低い
非鉄各社は2004年度上期、『晴天』下の高収益を享受した。買鉱条件(鉱石の購入価格)悪化や円高傾向(製錬マージンはドル決済のため円安では目減りする)はあったが非鉄製錬各社の主力・銅地金の国際市況が高水準で推移したため、売り上げが大幅に膨らんだ。
一方、半導体・液晶需要が膨らみ、銅箔(三井金属)、ペースト(住友金属鉱山)、メッキ(東邦亜鉛)、銀粉(同和鉱業)、機能性薄膜などの電子材料が大幅に伸び、好操業が収益を後押ししている。
だが、ここへ来て変化の兆しが見えている。買鉱条件は好転しているものの、さらなる円高懸念、史上最高水準の銅価がいつまで続くのかという不安感、IT関連の在庫調整など、冷たい風が吹き始めている。
ただIT関連の実需はまだまだ堅調と目されており、回復時期の見通しは各社異なるが「いずれは需要も戻る」と楽観的。またエレクトロニクス化が進む自動車向けが順調なことに加え、2000年のITバブル崩壊後のリストラ策が奏功して体質もかなり強化されている。空模様は『晴れ時々くもり』へと移行しつつあるとはいえ、収益の急落はなさそうだ。
【小長洋子記者】
(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部
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