なぜウクライナ侵攻に踏み切ったのか。戦争の最終的目標は何なのか。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の真意についてはまだ謎の部分が少なくないが、実は2003年からウクライナ攻撃を目指していたとの証言が2022年5月末に飛び出した。さらにウクライナ攻撃という強硬姿勢への転換の背景には、2003年のアメリカによるイラク戦争があったこともわかった。
このような証言を行ったのは、プーチン氏の経済問題顧問を務めていた元側近のアンドレイ・イラリオーノフ氏だ。以下、その内容を紹介する。
プーチン氏の経済顧問の激白
イラリオーノフ氏は2000年から2005年までプーチン大統領の経済顧問を務め、当時主要国首脳会議(G8)メンバーだったプーチン氏の個人代表も務めた。現在は反政権派の主要な論客でアメリカ在住。ユーチューブなどで積極的にプーチン氏批判を展開している。
イラリオーノフ氏によると、2000年に大統領に就任したプーチン氏は当初、相次ぐテロ事件やチェチェン戦争があったため、関心は国内に集中していた。当時は対米関係が好転していた時期だったので、対外政策面では米欧との関係に集中していたという。
イラリオーノフ氏によると、プーチン氏は当時からウクライナについては「国家とはみなしていなかった」が、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟問題もとくに重要視せず、反対していなかった。確かに2002年に当時のウクライナのレオニード・クチマ大統領との共同記者会見でも、「これはNATOとウクライナが決める問題」と言い切っていた。
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