史上最古の数学者はオプション取引の元祖だった 「学者は貧乏」と言われ、儲けられることを証明

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ターレスはB.C.7世紀~B.C.6世紀のギリシア人だが、それ以前に数学はなかったのだろうか。古代メソポタミアでは巨大な聖塔ジッグラート(B.C.3000年)が、そして古代エジプトではクフ王(統治はB.C.2589年~B.C.2566年)のピラミッドが築かれており、それら土木事業には高度な数学が必要だったと考えられる。

しかし、ターレスが史上最初の「数学者」とされるのは、初めて「証明」をしたからだ。たしかにエジプトでは『リンド・パピルス』のような数学問題集(解答付き)もあったが、そこでは「こうすれば解ける」としか書かれておらず、「なぜ、それで解けるのか」の記述はない。実用の範囲を出なかったといえる。

棒1本でピラミッドの高さを計算した?

ターレスは、次のような一見、「当たり前」と思われることを証明したといわれる。

(1)円は直径によって2等分される

(2)対頂角は等しい

(3)2等辺三角形の2つの底角は等しい

(イラスト:『数学者図鑑』より)

当たり前、自明だと思うことを、「当たり前だ」で一蹴せず、①誰もが認める原理(公準)から出発し、 ②正しい論理展開をすることで、③誰もが認めざるをえない正しい結論を得た。これを演繹法と呼んでいる(逆が帰納法)。

「証明」とは「論理的に相手を説得する方法」ともいえる。だから、もし、あなたの身近な人で、「これは当たり前のことだから言うことを聞け」とか、「キミのそんな批判はあたらない」といったことを言う人がいても、演繹法で1つひとつ説明をしていけば、必ずや説得ができる。これが「証明」だ。

(イラスト:『数学者図鑑』より)

ターレスの逸話にこんなものがある。ターレスがエジプトに出かけ、ピラミッドの高さを尋ねたところ、誰一人として正確な高さを知らなかった。そこで、1本の棒を地面に立て(自分の身長を使ったという話もある)、ピラミッドと棒の影の長さの比(相似比)からその高さを計算し、人々を驚かせたという。

(イラスト:『数学者図鑑』より)
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