結崎駅のリニューアルにあたっても、川西さんは「町の未来を決めるのは住民」と考え、住民と意見交換をする「結崎駅フューチャーセッション」を繰り返し実施した。住民たちにほかの駅の事例を紹介すると、「結崎駅にもこんなものがあるといい」といった声がたくさん集まった。多彩なイベントが開催できる広場を作ってほしい。町のシンボルとなるような駅舎がほしい。バリアフリーに対応した歩行者空間を確保してほしい。そして何より、駅前を単なる通過点ではなく、心地良い場所にしてほしい。
川西さんは住民たちの要望を「見える化」した。普通の駅は駅前にバス乗り場があるのに、結崎駅はいきなり公園がある。これが「川西マジック」だ。「懐かしくて新しい駅を目指した」と川西さんは話す。当初は橋上駅として検討されていたが、高齢者や体の不自由な人の使いやすさを考慮して地上に駅舎が設置された。
駅舎とトイレの建物は奈良県で古くから見られる「大和棟」という建築様式を取り入れつつ、内部のインテリアは「超モダン」。待合室はガラス張りにして駅の外からでも電車が通り過ぎるのが見えるようにした。「電車に乗る以外の目的で駅前に人が集まれば、駅周辺の価値が向上し、商業も活性化し、便利で安心な町になる」。
この記事は有料会員限定です
残り 2353文字
