不確実性上昇を捉えるバロメーターをどう作るか 複数の不確実性指標のモニタリングが有用

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(撮影:今井康一)

一寸先は闇──。江戸時代の京いろはかるたに登場する言葉だ。当時の夜は明かりが少なく、一寸(約3センチメートル)先も見えないという状況を指して使われた。同時に、今の生活が平和でもすぐ先の将来は何が起こるかわからないという不安定な世の中を表現したとされる。移り変わりの激しい戦国時代の記憶が人々の中に根強く残っていたのかもしれない。

さて、今日においても、経済の先行きを見据える際に、一寸先は闇という言葉が頭をよぎることは多い。新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ情勢など、数日前には予期しなかったことが突如発生し、結果として世界経済を大きく揺さぶったりする。

経済の先行きの不確実性が高まると、経済の各部門にさまざまな影響が及び、多くの負のインパクトが生じる。経済学者は理論モデルや実証分析の結果から、不確実性が経済に与える影響について、いくつかの傾向を見いだしている。

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