新型「ロードスター」、いち早く乗ってみた! 4代目オープンスポーツの進化に世界が注目

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前・ダブルウィッシュボーン、後・マルチリンクという形式だけを取れば変わり映えはしないが、足回りのマウント付近の強化やリアダンパーの設定を最適化した結果、コーナリング中の姿勢は一貫して安定している

といっても、決して走る楽しさは失ったわけではない。前輪がしっかり設置してハンドル操作に応えつつ、後輪でしっかりと路面を蹴っていくような感覚は信頼できる走りっぷりだ。同時に、初代からのひらひらとした身のこなしも健全で、自分でクルマを操っている気分になれる。

最近はどんどんクルマがパワフルになっているから、最高出力131ps(馬力)/最大トルク150Nmを生む1・5リットル直噴ガソリンエンジンでは非力に感じないかと心配したが、1000キログラムという軽量なボディが幸いして山道も難なく登っていく。変速せずに低いギアで保ってエンジン回転数を高めていくと、排気音がドラマチックに変化し、さらにどこまでも伸びていくような感覚で、スポーティな乗り味だ。

ボディの軽さが運動性能に効く

ついついレッドゾーンまでエンジン回転数を上げてしまう。ボディが軽いので、ブレーキの効き具合もいい。カーブを曲がるときも、終始安定した姿勢を保っている。そして、これが最も大事なことだが、オープンエアの楽しさを満喫できる。女性でも片手で簡単に開閉できる幌で、「ああ、今、屋根を開けたい」と思った瞬間にさっとオープンにできる。ドイツ製の質実剛健なオープンカーと比べると、頬をなでる風がほどよく室内に侵入して、風を感じられるのもいい。

「『進化』」ではなく、『革新』に挑戦しました。デザイン、パッケージング、ダイナミクスのすべてにおいて、人間の感性に訴える魅力を持つクルマを作ってこそ、人間の中に潜在的に備わる”感”を呼び起こせるのです」

開発を担当した山本修弘主査が取り出した”巻物”には、これまでに積み重ねてきた技術開発の要件がみっしりと書いてあった。そこには、むやみに新技術に頼るのではなく、既存の技術を丁寧に磨きこんで、バランスのよいクルマを作ることで、気持ちのよい走りを体験して欲しいという開発陣の願いが込められている。

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