キャピタル・ドット・コムのトレーディング責任者で外国為替市場で30年の経歴を持つブライアン・グールド氏は、オーストラリアのメルボルンにあるオフィスに足を踏み入れると、大量の円売り注文が待ち構えていると話す。
グールド氏は「円売り注文が四六時中ひっきりなしに入ってくる。ここ数日は量がかなり多くなった」と述べ、「20年ぶりの高値にあるドルを対円でまだ買いたい人がいる」と指摘する。
東京やニューヨークの投資家も、円の一段の下げに賭けている。米国債と日本国債の利回り格差の拡大がこうした動きの要因で、それが早期に変化する兆しはない。
円は今年、G10通貨で最低のパフォーマンスを見せており、アジア時間7日には一時1ドル=133円目前まで下げた。
日本の投資銀行のシニアトレーダーによると、トレーダーらはドル買い・円売りで資産運用会社と足並みをそろえている。多くは1ドル=135円を次の節目とみていると、このトレーダーは匿名を条件に話した。
遠く離れたニューヨークのトレーディングルームでもこの節目は注視されている。メドレー・グローバル・アドバイザーズのグローバル・マクロ戦略責任者、ベン・エモンズ氏は、ドル・円が135円台を「容易に」突破するとみる。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏も長年掲げてきた135円15銭の目標を維持している。この水準に達すれば2002年1月以来となる。
連日のように対ドルで安値を更新する円の見通しについて顧客やトレーダーから質問を受けるというナショナルオーストラリア銀行(NAB)のロドリゴ・キャトリル氏は「132円を突破したことで、円のさらなる下落に米国などの当局が公式に不快感をあらわにするかどうか多くの人々が臆測している。ドル・円は米10年債利回りや米経済の強靱(きょうじん)さに引き続き翻弄(ほんろう)されている」と指摘した。
原題:
Biggest Macro Short Is Back as Traders Sell Yen Around the Clock(抜粋)
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著者:Ruth Carson、Michael Wilson
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