動いた東京ディズニー、大胆値上げの衝撃 シニア層は実質1200円の値上がり

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ほかにも、シニアパスポートは5700円から6200円に値上げするのに加え、適用年齢も改定し、従来の60歳から65歳へ引き上げる。「券種ごとに満足度調査を行い、券種特性を踏まえての改定」(オリエンタルランド広報)という。USJのシニア価格(6470円)は65歳以上、ハウステンボスも65歳以上が対象(5600円)となっており、業界標準に合わせた格好だ。

これはシニアにとって”痛い”だろう。たとえば、TDRに来ていた60歳のおじいちゃんがいたとしよう。料金はこれまで5700円で済んだ。しかし今回の価格改定ではシニア扱いにならないため、4月以降は6900円のワンデーパスポートを購入しなければならない。実質的には1200円もの値上げになるわけだ。オリエンタルランドでは中高年層のゲストの取り込み強化を重要戦略の一つに掲げており、今後のシニア戦略との兼ね合いが注目される。

注目集まる大規模投資の中身

1月29日に発表した2014年4~12月までの業績は、30周年イベントで過去最大の入園客数を記録した前年度に続く、歴代2番目となる好決算だった。入園客が落ち着き、閑散期といわれる1、2月も、「アナと雪の女王」のスペシャルイベントをテコに順調な客入りとなっている。足元の上り調子を受けて、これまで着手してこなかったさまざまな改定に踏み出したようだ。

「値上げに対して慎重」(業界関係者)と言われるTDRが今回断行した料金改定は、入園客にどう映るのか。オリエンタルランドは今後10年で5000億円をTDRに投資する予定で、2017年度以降の完成に向け、具体的な内容は順次発表される見通し。価格に見合った満足度を生み出せるのか。大胆な値上げによって期待値はいっそう高まっている。

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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