"中長期視点"経営の壁「過激な短期投資家」対処術 課題解決と利益を両立させるために必要なこと

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サステナビリティをめぐっては、さまざまな規制やソフトローが次々と生まれており、企業はそれらに対応するのに四苦八苦している。しかし、規制・ソフトローが形成されるメカニズムを理解しておけば、この先、どんな規制・ソフトローが生まれようとしているのかを先駆けて捉え、備えることができる。

2030年のSX戦略 課題解決と利益を両立させる次世代サステナビリティ経営の要諦
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先を読むための目のつけどころは、次の3つだ。

①NGOの動きを見ながら、次に重要となる社会課題を見抜く

②業界の基準やソフトロー策定(スタンダードセッティング)のステップを理解したうえで影響力の大きくなりそうな国際機関やNGOなどのスタンダードセッターをいち早く見抜く

③EUの規制化とそのグローバル展開に着目する

多くのNGOは社会課題に対する感度が高く、「貴重な自然環境の保護」「貧困や格差の解消」「1人ひとりが尊厳と幸せを追求できる社会の実現」など、さまざまな社会課題に先駆的に取り組んでいる。

多くの人々がまだ気づいていない課題に注目し、キャンペーンなどを通じて社会の関心を広く集めようとしていることも少なくない。

そこで、NGOが実施するキャンペーンの情報を収集し、テーマや数(活動件数と増加率)を分析すれば、「次に押し寄せてくる波」を早い段階でつかむことができる。

活動件数少なく、増加率高いテーマは「要注意領域」

NGOの「活動件数」が多く、「活動件数の増加率」も高いテーマは、すでに社会課題が顕在化している「重要領域」であり、そこに企業として関わりがあれば、すぐに対策を講じる必要がある。「活動件数」は少ないが「増加率」が高いテーマは「要注意領域」だ。

ここに当てはまるのが「次に押し寄せてくる波」としてウォッチしておくべきテーマであり、多くの人々はまだ気づいていないが、今後、徐々にNGOの声が大きくなり、社会が動き始める可能性がある。

「次から次へと押し寄せるサステナビリティ課題に対応できない」と嘆く企業は多いが、こうした分析をもとに次の波を予想し、早い段階で準備を始めてほしい。

坂野 俊哉 PwCサステナビリティ合同会社

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ばんの としや / Toshiya Banno

東京大学経済学部卒、コロンビア大学MBA。日本生命保険、ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。20年以上のコンサルティング経験を有し、経営戦略、事業ポートフォリオ、事業戦略、海外戦略、アライアンス/M&A(PMIを含む)、企業変革などの経験が豊富。業界経験は、商社、保険を中心に、エネルギー、化学、自動車、産業機器、電気電子、消費財、流通、公共など多岐にわたる。PwC Japanグループのサステナビリティ・センター・オブ・エクセレンスのエグゼクティブリードも務める。

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磯貝 友紀 PwCサステナビリティ合同会社

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いそがい ゆき / Yuki Isogai

2003年より、民間企業や政府機関にて、東欧、アジア、アフリカにおける民間部門開発、日本企業の投資促進を手掛ける。 2008年より世界銀行アフリカ局にて民間部門開発専門官として、東アフリカを中心に民間部門開発、官民連携プロジェクトなどを手掛ける。2011年より現職、サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンスのテクニカルリードとして、日本企業のサステナビリティビジョン・戦略策定、サステナビリティ・ビジネス・トランスフォーメーションの推進、サステナビリティリスク管理の仕組み構築、途上国における社会課題解決型ビジネス支援やサステナブル投融資支援を実施。

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