異例だった「BTSホワイトハウス訪問」の深い意味 政治担当の記者たちでさえ撮影に夢中になった

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これがいつまで続くのかは、見当もつかない。黒人に対する根強い歴史的差別を考えると、アジア系差別についても、新型コロナウイルスの感染拡大よりも長引くのは間違いないだろう。

こうした中で、BTSが「暴力に反対する」と発言するインパクトは、計り知れない。BTSは2020年5月、中西部ミネソタ州の黒人男性ジョージ・フロイド氏が、白人警官に殺害されて広がったブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命は大切だ)運動でも、直後に100万ドルの寄付を行っている。

人種だけではない、2重の差別を乗り越えた

ニューヨーク在住のライター・作家でBTSのファンでもある黒部エリさんは、こう指摘する。

「BTSもアジアから海外に進出する際、アジア系というだけでなく、お化粧をしているというルックスについても批判されたことがあった。つまり、人種だけでなく2重の差別にあった訳です。そこで、人種差別の問題があると、パッと立ち上がってくれて、世界にいるファンに対しての発信力が素晴らしいんです」

バイデン大統領は、外交官や閣僚などとしか会わないオーバルオフィスにBTSを招き入れた。会談は非公開だったが、大統領がツイートしたビデオでは、リーダーのRMさんがこう話している。

「私たちは新型コロナの感染拡大によるヘイトクライム拡大の対策法案に署名してくれた大統領の決断に感謝しています。だから少しでもお力になりたかったのです」

大統領はこう答えた。「あなたたちの偉大な才能だけでなく、発信しているメッセージが重要なのです」。

津山 恵子 ジャーナリスト

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つやま けいこ / Keiko Tsuyma

東京生まれ。共同通信社経済部記者として、通信、ハイテク、メディア業界を中心に取材。2003年、ビジネスニュース特派員として、ニューヨーク勤務。 06年、ニューヨークを拠点にフリーランスに転向。08年米大統領選挙で、オバマ大統領候補を予備選挙から大統領就任まで取材し、『AERA』に執筆した。米国の経済、政治について『AERA』ほか、「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」「HEAPS」に執筆。著書に『モバイルシフト 「スマホ×ソーシャル」ビジネス新戦略』(アスキーメディアワークス)など。X(旧ツイッター)はこちら

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