NY連銀がインフレショックは一時的との調査報告 米消費者は目先の物価急上昇やがて弱まると想定

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米ニューヨーク連銀は26日、今のインフレショックが一時的なものであり、物価上昇率がより長期的には低位安定すると米消費者はおおむね予想しているとの調査結果を公表した。

短期のインフレ期待は上向いているものの、米消費者は5年後の物価上昇率を3%程度とみていることがNY連銀の調査報告で示された。これは目先の物価急上昇の勢いがやがて弱まると消費者が想定していることを意味し、従来の連銀の見解を確認するものだ。

NY連銀のウィリアムズ総裁も執筆に加わったブログへの投稿で調査担当者らは「短期のインフレ期待は引き続き上向き傾向だが、中期のインフレ期待は過去数カ月で頭打ちになったと思われ、より長期のインフレ期待は引き続き際立って安定している」と分析した。

米連邦準備制度が選好するインフレ指標、個人消費支出(PCE)価格指数の前年同月比上昇率は、目標の2%に対し3月の数字は6.6%と40年ぶりの高い伸びとなった。4月の消費者物価指数(CPI)上昇率も前年同月比8.3%と高止まりしている。

 

一方、調査結果では中期的な物価動向について意見の相違が拡大する様子も浮き彫りになった。3年後の高インフレを見込む回答者と、低インフレないしデフレを予想する回答者の割合がいずれも増加した。「幾分意外だが、消費者の中期のインフレ期待に乖離(かいり)が存在する」と報告は指摘した。

原題:

US Consumers Expect Inflation Shock to Pass, NY Fed Survey Finds(抜粋)

(中期の物価動向に関する意見相違を追加して更新します。更新前の記事は見出しを「インフレショック」に訂正済みです)

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著者:Jonnelle Marte

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