ロンドン「女王陛下の鉄道新線」で何が変わるか 都心横断「エリザベス線」開業、新たな大動脈に

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ロンドン交通局(TfL)は当初、パディントン―アビーウッド間の今回の新規開業部分のほか、ストラットフォード駅から先のグレート・イースタン本線区間(東側)、パディントン駅から先のグレート・ウェスタン本線(西側)の2つの既存路線を結ぶ全面的な開業を目指した。

しかし、5月24日の時点ではそれはかなわず、3つに分割された線区として出発進行となった。これらが全面的に直通運転するのは、2024年の5月ごろを予定している。

エリザベス線の路線図。路線図中央のPaddington(パディントン)から右下へ向かう路線が新規開業区間で、ほかは既存路線を整備してつないでいる(画像:(c) TfL)
<5月24日の新規開業部分>(左が西側・右が東側)
パディントン駅―ホワイトチャペル駅―カナリーウォーフ駅―アビーウッド駅
<東側>既存路線
・グレート・イースタン本線
リバプールストリート駅(地上駅)―ストラットフォード駅―シェンフィールド駅
<西側>既存路線
・グレート・ウェスタン本線およびヒースローコネクト
パディントン駅(地上駅)―ヘイズ&ハリンドン駅―レディング駅/ヒースロー空港

「ロンドンの交通史を書き換えた」

全面開通とはならなかったものの、ロンドン中心部の地下を最高時速145kmで高速運転できる電車が走り出したのは大きなインパクトとなる。

新たに開業したパディントン駅(写真:(c) Crossrail Ltd)

ロンドンのサディク・カーン市長は、いよいよ念願のロンドン都心部を貫く区間の営業運転が始まったことについて「この真新しい鉄道路線は、数十年ぶりに公共交通網の歴史を書き換えた最大のプロジェクトだ。ロンドンに何十億もの経済効果をもたらすだろう」と期待感を示す。運行会社も、「市民に対し、新しい地下鉄利用ルートの選択肢を提供し、コロナ禍からのより広範な経済再生と回復を後押しするものとなる」と強調する。

エリザベス線はロンドンでも特にオフィスワーカーの多いエリアを結ぶ。今回の開業でロンドン中心部の鉄道の旅客輸送容量が10%増えたが、これは過去70年以上で最大の公共交通の輸送容量の増加となる。

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