ロンドン「女王陛下の鉄道新線」で何が変わるか 都心横断「エリザベス線」開業、新たな大動脈に

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エリザベス線新規開業区間のアビーウッド駅でホームにあふれる乗客ら(写真:(c) Crossrail Ltd)
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ロンドンを横断する鉄道新線「エリザベス線」が5月24日、ついに開業した。ロンドン中心部を東西に結ぶ新たなトンネルを建設、両端の既存の近郊鉄道やヒースロー空港へのアクセス路線をつないで新たに一体のルートとした路線で、既存路線区間を含む総延長は100km超に及ぶ。

この大規模プロジェクトは「クロスレール」と呼ばれ、新規開業のトンネル区間は2009年に着工。建設中は度重なるトラブルに見舞われ、一時は「完成しないのではないか」とささやかれるほどだったが、当初の開業予定だった2018年12月から3年半遅れで開業へとこぎつけた。

年間利用者数は2億人と予想され、新たな住宅開発や雇用創出による経済効果は420億ポンド(約6兆7300億円)に達するとも言われる。コロナ禍による大きな痛手から経済復興を目指すイギリスにとって、エリザベス線は「新時代の大動脈」になるものと期待されている。

新規開業区間は約21km

待ちに待ったエリザベス線開業の初列車は午前6時33分、都心のパディントン駅を出発し、ロンドン南西郊外のアビーウッドに向けて走り出した。この両駅を結ぶ区間こそが「クロスレール」プロジェクトで新たに建設した開業部分(全長約21km)だ。当面は月曜~土曜の6時30分〜23時00分に平均5分間隔で列車が走り、日曜は運休する。

工事中のカナリーウォーフ駅ホーム=2017年9月(筆者撮影)

新規建設区間は、ほぼ全体がトンネルからなる。パディントン駅から東に延びるトンネルは、ロンドン東部のホワイトチャペル駅の先でY字型に分岐している。一方は新金融街のカナリーウォーフ駅を経てテムズ川をくぐり、その先で地上に出てアビーウッド駅に至る上述のルートだ。もう一方は、ロンドン五輪のメイン会場最寄りの東部のストラットフォード駅へ向かう。

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