自民「政治資金パーティー」が映す権力争いの内情 表向きは「総主流派」態勢も、交錯する思惑

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トップバッターとなった麻生派は、会長の麻生太郎副総裁が「歴史を振り返れば参院選で負けたのを境に、次の選挙で大きく政権が動いた。負けるわけにはいかない」と強調。これに対し岸田文雄首相は「志公会(麻生派)の先生方は政権において、ど真ん中で支えていただいている」と熱いエールで応えた。

続いて、翌15日は森山裕総務会長代行が会長に就任して初となる森山派のパーティー。森山氏はロシアによるウクライナ侵攻について「努力している首相を全力で支えていくことが大切だ」と力説した。

同派はわずか7人の党内最少勢力だが、岸田首相やの山口那津男公明党代表に加え、自民党3役も含め約1200人を集める盛会ぶり。森山氏は岸田首相の歴代最長となった党国対委員長時代の手腕にも言及し「『信なくば立たず』を体現する政治家。与野党議員から高い信頼を得て、政権を支えてきた」と高く評価してみせた。

三番手となった茂木派は、会長の茂木敏充幹事長がコロナ禍やウクライナ危機に絡めて「政権の安定が不可欠。夏の参院選で勝利しなければならない」と主流派として自民全体での支援と協力を呼びかけた。

「最も仕事のできる男」と「最も話を聞く男」の蜜月

幹事長派閥とあって、パーティーには岸田、麻生両氏に加え、安倍晋三元首相も出席、岸田首相は茂木氏を「『永田町で最も仕事のできる男』と持ち上げ、『最も話を聞く男(首相)』との補完関係で新しい時代に向けて政治の責任を果たしたい」と満面の笑顔で場内を沸かせた。

一方、大型連休後の一番手となったのは二階派。岸田首相との対立で冷や飯組と揶揄されているが、会長の二階俊博元幹事長は「政権の安定とこれからの日本国の発展のために、わがグループ総動員で協力したい」とことさら政権支持をアピールして見せた。

駆けつけた岸田首相は二階氏について「与党であれ野党であれ、信頼関係を大事にする。今も、首相官邸より二階氏に要請や相談に来る人が圧倒的に多いゆえんだ」とエールを交換。パーティーには安倍、茂木両氏も参加したが、岸田、茂木両氏は、二階氏が党本部5階に陣取っているのに、そろって「党本部6階」と言い間違うなど、双方の隔たりも露呈した。

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