グノシー、「数年後にはドローン飛ばします」 ニュースアプリは"入り口"に過ぎない
──「1ページビュー(PV)につき1円を実現する」と以前、言っていました。今はグーグルなどのアドプラットフォームを通じた広告収入は、0.2円とか0.3円というメディアが多いと思うので、1円は魅力的です。
強気なことを言っておいてなんですが、まだ仕組みを考えているところです。普通の広告を増やしていっても、なかなか1円にはいかないと思っています。いま新たにやろうとしていることは2つあります。1つは2月にテストを行い、3~4月をメドに本格的に始める予定の動画広告です。今の動画広告はリスト面に出すのが主流だが、記事の間に挟んで出すことによって収益性を上げていきたい。
もう1つは、まだ構想段階なのですが、広告ではない方法で1PV1円という世界を作れないかな、と思っています。1クリックに対して誰がお金を負担するか、という問題があるわけです。広告ではない形でそのPVに対して課金をする方法はいろいろとあるはずです。
今考えているモデルの場合、グノシーは手数料を取らず、すべてメディアさんに払っていいと思っています。詳細は言えないのですが、リンクを売る、というような形でマネタイズはできます。
──その秘密兵器を投入すると1PVで1円稼げるようになりますか。
これだけでは無理だと思いますが、いろいろ考えてやっていきます。実は、まだこれは詳細が固まっていないので詳細が固まったら、あらためてお話をします。
──しかし、本当にできますか。スマホでのニュース消費が増えてPVの総量が増えていく中では単価が上がることはないのではないか、と思いますが。
そうですね。確かに、すべてのPVに対して1円を払うのは無理です。ある一部のものについては払える、ということです。年内には実現できればいいな、と思っています。
──全体でないのであれば、すでに実現できている話なので、たいしたことではなくなってしまいますね。
1PVで1円というコンテンツの数をもっともっと増やしていけるのではないか、と思っています。
ニュースアプリというレイヤーは残る?
──PCをみると、グーグルニュースは検索のレイヤーからニュースのアグリゲーション部分に進出し、世界的には圧倒的な地位を占めています。アプリケーションではなく、よりインフラに近いレイヤーを押さえている企業が、ニュースキュレーションにおける支配権を握り、そもそもニュースキュレーションは独立したものとして存立し得ない、ということはありませんか。
それは、ありえると思います。アマゾンは最初は本屋だったけれども、今はインフラ企業としてグーグルのライバルになっている。LINEが突然出てきて、ヤフーのライバルになっています。インターネットの世界はそういうふうにして、スタート時の切り口とは違うところで競合が発生するものです。
昨年11月に発表したプラットフォーム戦略というものは、そのことを意識しています。グノシーはコンテンツという切り口から入っていき、プラットフォーム化したい。
──音楽配信を思い出すと、10年以上前にはそれこそたくさんの配信プラットフォームがあった。しかし、今ではアップルが圧倒的になっている。ニュースキュレーションの領域でも、プラットフォームとして生き残るのは容易ではないですよね。
そう思っています。何社も残れるようなものではないでしょう。でも今あるニュースアプリは、みんな生き残れるかもしれません。それぞれユーザーが付いていますので。
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