トヨタ高級ミニバン、「脱ガラパゴス」成るか 圧倒的な強さだが、その強さは国内限定

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法人需要のみならず、海外需要もどれだけ拡大できるかが新型のポイントになる

さらに、今回の新型車で狙うのは法人需要の拡大だ。豪華な内装、広い室内空間、スライドドアの乗降のしやすさなどはエグゼクティブの移動にも適している。 旧モデルで2割だった法人需要の比率は、「さらに増えるだろう」と製品企画本部本部長の吉田守孝専務役員は期待を寄せる。

新型では航空機のビジネスクラスのようなシートを搭載した最上級グレード「エグゼクティブ ラウンジ」を設定しており、事前受注では約1割にあたる2000台がこのモデルだった。

海外販売の拡大を強化

2014年は登録車(軽を除く)販売の上位10車種にミニバンが3車種(5位ヴォクシー、9位セレナ、10位ノア)入ったように、日本ではミニバンが人気カテゴリーとしての地位を確立している。一方、「米国のバンはもっと大きい。ミニバンで高級なスライドドアというのは日本独特」と吉田専務が認めるように、ある意味”ガラパゴス“商品といえる。

実際、アルファード、ヴェルファイアの旧モデルは東南アジアや中国、中東などへ輸出してきたが、それほど数が出ているわけではない。製品企画本部の吉岡憲一主査は新型車について、「これまでよりグローバルな目線で開発した」と説明する。具体的には、道路事情が日本ほど良くない海外でも使いやすいといったことも考慮し、サスペンションやタイヤサイズを選択しているという。吉田専務も「アジアではかなり高く評価されてきているし、アジア向けは強化していきたい」と意欲を見せる。

独壇場の国内販売に加えて、海外でどれだけ存在感を高められるか。法人需要の開拓のみならず、脱ガラパゴスが高級ミニバンのポイントとなりそうだ。

(撮影:梅谷秀司)

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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