茨城サザコーヒー、たった16店で放つ存在感の神髄 都内4店目の新橋出店、「徹底した差別化」の裏側

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SL広場に置かれたSL、右奥が新橋駅(写真:サザコーヒー)

「色味もSLっぽく黒色に仕上げました。北海道・十勝産の小麦生地をクレープロボットで焼き、香りの強いカカオマスで味を仕上げています。コーヒーとの相性も抜群です」(同氏)

クレープを焼く小型ロボットを開発したのは、モリロボ(本社:静岡県浜松市)という会社だ。同社の森啓史社長は、自動車メーカーのスズキを退社して起業。昨年、虹色の「レインボーミルクレープ」を焼くロボットをサザコーヒーに納品。今回の納品にもつながった。

全自動ロボットで焼き上げた「新橋SLクレープ」(写真:サザコーヒー)

このように商品の裏にストーリー性を盛り込むのも、サザコーヒーの持ち味だ。新橋店は都心の駅ナカゆえ手狭だが、自動コーヒーマシン以外にサイフォンでの抽出もある。本日のコーヒー=500円からと安くはないが、味に対するコーヒー通の評価は総じて高い。

逆風下の社長就任で決めた「コーヒーの価値」訴求

「2020年6月19日に社長となり、『コーヒーを通し、高い価値を提供する』ことを決めました」

鈴木太郎氏は振り返る。太郎氏は1990年代後半、父の誉志男会長(創業者)が購入した南米コロンビアのサザコーヒー農園に派遣されて、試行錯誤の末、現地の運営を軌道に乗せる。2005年には、JR品川駅内の商業施設・エキュート品川に出店、来店客を増やした。さらにJR大宮駅(埼玉県)構内にも出店する。こうした実績が施設運営側に評価されて今回の新橋出店につながったが、社長就任は大きな逆風の中だった。

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