乃木坂46「過渡期を迎えた清楚アイドル」の現在地 乃木坂らしさとは何か?という議論が渦巻く

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乃木坂46もデビューからしばらくは、女性アイドルグループらしい、賑やかで明るめな、いわゆる“アッパー系”の楽曲が続いていました。その路線が変わるキッカケとなったと思われるのは、2013年3月にリリースした5枚目のシングル『君の名は希望』。

この曲は、それまでの打ち込みドラムやシンセサイザー系のアレンジから、ピアノなどの生楽器を前面に立てた、しっとりとした曲調が、清楚なイメージの乃木坂46に合致したものと言えます。2015年暮れに彼女たちがNHK紅白歌合戦へ初出場した際、リリースから1年半以上も経っていたこの曲が披露されていることが、何よりの証左ではないでしょうか?

支持を集めている楽曲トップ10

そこで筆者は、これまでの乃木坂46の楽曲の中で、ファンから最も支持を集めているのは何かを調べてみました。集計の基にしたのは、複数あるファンサイトと、カラオケチェーンが随時発表しているアーティスト別の人気曲ランキング。その中から今年=2022年に入ってから更新されている
6つのデータを独自に数値化し、ランキングにしたものがこちらです。

① 『サヨナラの意味』(2016年11月)
② 『シンクロニシティ』(2018年4月)
③ 『インフルエンサー』(2017年3月)
④ 『帰り道は遠回りしたくなる』(2018年11月)
⑤ 『何度目の青空か?』(2014年10月)
⑥ 『きっかけ』(2016年5月/アルバム収録曲)
⑦ 『制服のマネキン』(2012年12月)
⑧ 『ガールズルール』(2013年7月)
⑨ 『裸足でSummer』(2016年7月)
⑩ 『君の名は希望』(2013年3月)
※カッコ内はリリース年・月

6位の『きっかけ』を除く9曲は、シングルの標題曲ですね。その『きっかけ』は、Mr.Childrenの桜井和寿が寺岡呼人、Kと共にライブイベントでカバーしたことでも知られ、メンバーの遠藤さくらがYouTubeの人気チャンネル「THE FIRST TAKE」にソロで出演した際にも選曲。さらに昨年末のNHK紅白歌合戦でも披露されるなど、ファンはもちろん、メンバーの間でも非常に支持されている曲です。

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