線路の幅38cm、「超ミニ鉄道」がつなぐ日英の縁 伊豆「虹の郷」と本家英国の「ロムニー鉄道」

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虹の郷の「ロムニー鉄道」には現在、SLが2両、ディーゼル機関車が2両ある。線路は両端が機関車の方向転換不要なループ状となっており、SLの車庫に付き物の転車台がないのがちょっぴり残念だ。しかし、石炭を焚いて走る様は本格的なSLそのものだ。石炭をくべる様子が間近に見られるほか、SLの匂いや煙を感じることができる。

レイブングラス・アンド・エスクデール鉄道から譲り受けた蒸気機関車のプレート。鉄道名と1992年イングランド製の文字が刻まれている(筆者撮影)

2両のSLはいずれもレイブングラス・アンド・エスクデール鉄道の協力を得て譲り受けた経緯がある。そのため、愛称は同鉄道の地方名にちなみ、「カンブリア号」「ノーザン・ロックII号」と名付けられている。路線全長は2.4kmで、公園のメインゲートに近い「イギリス村」と、そこから約1km離れた「カナダ村」を結んでいる。片道運賃は400円(子どもは半額)だ。

イギリス村にある「15インチレイルウェイミュージアム」と呼ばれる建物は機関車の車庫となっている。ここは本場英国にある保存鉄道の雰囲気を存分に味わえるところだ。愛情をこめて機関車を使い続けようという心意気が伝わってきた。

20km以上を走る「本家」ロムニー鉄道

さて、修善寺で「ロムニー鉄道」の復活を取材した筆者は3月下旬、本家本元である英国ケント州のロムニー・ハイス・アンド・ディムチャーチ鉄道(RHDR)へと試乗に出かけることにした。おりしも同鉄道の春季シーズン運行開始日だったため、現地は多くの家族連れで大賑わいだった。

英国ロムニー・ハイス・アンド・ディムチャーチ鉄道の機関車。係員と比べるとその小ささがわかる(筆者撮影)

一般の鉄道と比べて大きさは3分の1以下というコンパクトサイズだが、10両以上の長大編成で200人近くの乗客を一気に運ぶ。全長20km超を1時間以上かけて走るため、フルサイズの保存鉄道と勝るとも劣らない雰囲気がある。

虹の郷の「ロムニー鉄道」の“ロムニー”とは、RHDRの主要駅であるニューロムニー(New Romney)駅を由来としたものだ。同駅には「15インチゲージの鉄道として、世界最長」を示す金属製のプレートもはめられている。

驚くことに、RHDRは大半の路線が複線だ。筆者が訪れた際は片方の線路のみを使って単線運行していたが、東側のおよそ半分の区間はいつでも複線運行できるレベルに線路がメンテナンスされているように見受けられた。現存する走行可能な機関車は10両で、うちSLは8両だ。

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