仕事も人間関係も「話す」より「聞く」でうまくいく ちょっとした心がけで「人生の損」は少なくなる

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齋藤:『LISTEN』に「生きている実感をいちばん味わわせてくれるのは不確実性」と書いてありましたが、本当にそのとおりだと思っています。非日常性をどうやって自分の人生にインストールするか。同じことをやらないというのは重要だと思います。

篠田:仕事の場面で聞くことから、私たちを遠ざけているのは、まさに不確実性なんですよ。当初狙ったとおりの成果を出すために落とし穴を事前に察知して埋め、不確実性を減らそうとする中、「聞く」という行為は不確実性を高めるから敬遠されてしまうわけです。

例えば時間内でミーティングを進行し、最後に意見を集めるものの落とし所はここだろうと設計している中で、最初に「ちょっといいですか?」と不規則な発言をされると困るじゃないですか。だから相手の話を途中でぶった切って「いいからやって」と指示するようなことが起きてしまう。

仕事の場で不確実性をうまく迎え入れるのは難しい。でも、「それってそうとう損してますよ」というのが、『LISTEN』がいちばん言いたいことだと思います。

予定どおり、想定どおりが「聞く」を阻む

齋藤:最近は仕事の進め方に遊びがなくなっているなと思います。クライアントとの打ち合わせも、社内の打ち合わせも、ファシリテーションをしっかりしてパッパと進める感じになっている。

一方、以前の広告業界ではクライアントと飲みに行って、そこから仕事につながるようなことがよくありました。遊んでいるように見えるかもしれませんが、実はあれも「聞く」なんですよ。そういう「聞く」メソッドは昔のほうが豊富だったように思います。

少なくともオンラインの1時間できっちり打ち合わせを終わらせるようなやり方だと、聞き足りない、しゃべり足りないというのが絶対にあると思うんですよ。

篠田:『LISTEN』に興味を持ってくださった方からも、「そうは言っても決まった時間の中で、どうやって聞けばいいんですか?」と質問をいただくことはよくあるんですよ。想定していた着地点に重点を置くがゆえに、聞くことに集中できないと悩む人は多いと思います。

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