貨物列車の「後押し専門機関車」EF67形ついに引退 「セノハチ」で活躍したが3月に定期運用終える

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3月29日の午後にラストランを行ったEF67 105。走り慣れたセノハチの上り勾配を16両編成の貨物列車を押し上げていった。前面には「ありがとうEF67」のヘッドマークが掲出された(瀬野ー八本松間、筆者撮影)

3月29日、広島貨物ターミナルでEF67形電気機関車の引退セレモニーが行われた。

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EF67形は山陽本線(上り線)瀬野―八本松間にある最大22.6パーミルの連続上り勾配区間、通称“セノハチ”で貨物列車を後押しする後補機として1982年から活躍してきた。しかし、後継車となるEF210形300番代に置き換えられて、2022年3月12日のダイヤ改正で定期運用を終了した。

後継車となるEF210形300番代は後補機だけでなく、貨物列車を牽引する本務機としても使用する万能機となっており、JRの補機専用の電気機関車はEF67形の引退をもって全廃となった。そんな最後の補機専用機、EF67形とはどんな電気機関車だったのか。

セノハチの特殊事情とEF67形誕生の背景

セノハチの後補機は蒸気機関車の時代から存在しており、戦後はD52形が補機を務めた。また、特急「かもめ」等の優等列車を中心に八本松駅構内で走行解放して、所要時間の短縮を図っていた。1962年の山陽本線三原ー広島間の電化後もしばらくはD52形が後補機を務め、八本松駅での走行自動解放も行っていた。

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余談だが、このときに運転を開始した特急形電車151系や急行形電車153系も電動車比率が低かったため、セノハチを自力で登坂するのは困難で、本来は旅客用の電気機関車EF61形0番代が後補機を務めていた。そのためEF61形0番代には走行自動解放用のテコとシリンダーが追設され、廃車となるまで存置された。

1963年からはEF53形旅客用電気機関車を改造した補機EF59形が登場。1969年にはEF56形の改造機も加わり、総勢24両が600t以下の列車には単機、それ以上の重量列車には重連で補機に就いた。

八本松駅での走行解放も引き続き実施されたが、後に西条駅で停車中に切り離す運用も生まれた。また、優等列車では広島・広島操車場(現・広島貨物ターミナル)から連結して、瀬野を通過する運用もあった。

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