斜陽の格安スマホで「HIS」があえて出店攻勢の訳 1年強で360店舗を新設、狙うはガラケーシニア

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MVNO(格安スマホ事業者)としては異例の、自社SIM専門販売店を全国に出店すると打ち出したHISモバイル。その背景とは。

HISモバイルの販売店はスマホ修理などのビジネスと併せて展開する(写真:HIS Mobile)

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今後大幅に縮小することが見込まれている格安スマホ市場で、しかも”圧倒的後発”の会社が、なぜ今出店攻勢に出るのか――。業界関係者からにわかに注目を集めているのが、HISモバイルだ。

同社は格安スマホを運営するMVNO(仮想移動体通信事業者)としては異例となる自社SIMの専門販売店を、2023年6月末までにフランチャイズ(FC)を軸に全国約360店舗まで拡大するという(これまでは直営2店舗のみ)。実現すれば、2000を超すNTTドコモなど大手キャリアの販売店(ショップ)にはかなわないものの、MVNOの中で断トツの規模になる。

格安スマホはオンライン上での契約が主流で、リアル店舗を好むシニア層などの取り込みが遅れていた。HISモバイルはそこに目をつけ、店舗網を駆使して契約回線数の大幅な積み増しを狙う。

業界では「まだ中小規模」だが

新たに展開する専売店の名前は「HISモバイルステーション」。4月16日、1号店が群馬県太田市で開業した。FC制度を取り入れ、全国のロードサイドを軸に出店する。同社によると、すでに関東から九州にかけ約20店舗の開業が決定しているという。

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