日本の技術ベンチャーが面白くなってきた インテル投資責任者が語る有望分野
新しいデバイスでは、特にウェアラブルデバイスについて言及した。スマートフォンよりも小さなデバイスに対しては、そのものが持つデータのエコシステムの中での役割に加えて、工業デザインの視点でも注目に値すると語る。またIoTの可能性についても次のように指摘した。
「センサーが入っているデバイスでは、歩いたり、走ったりといった行動を検知でき、様々なアプリを作ることができます。またIoTは人とのコミュニケーションを低いコストで実現することができる可能性を秘めています。しかし人々の期待は、思ったほど高いわけではありません。何が起きるか、というイメージが不足していることも問題でしょう。またセキュリティ問題についても、関心が追いついていません。まずは省電力性と、高速でクラウドにつながるものから、市場が立ち上がっていくのではないでしょうか」
インテルといえば、パソコン向けのプロセッサを思い浮かべる人がほとんどだろう。主力とも言えるコンピュータのトレンドについてもカッパム氏に聞いた。
「現在注目しているのはディスプレイの画質の向上、ストレージ、そして省電力化です。とくに、2014年から2015年にかけてリリースしている新世代のIntel Coreプロセッサを搭載したコンピュータは、新しいスタイルと高画質化、省電力化をかなえるようになりました」
インテルキャピタルのイベントでも、インテルの2-in–1スタイルのコンピュータのデモが行われていた。キーボードをアタッチしてノートパソコンとして使用し、取り外せばタブレット型コンピュータとしてより自由なスタイルでメディア消費が行える。
ワイヤレスの映像技術も向上
また、ワイヤレスの映像技術も向上している。これまで、パソコンの画面を他のディスプレイやテレビに映し出す場合にはVGAやDisplay Port、HDMIといったケーブルで接続しなければならなかったが、インテルの最新プロセッサでサポートするワイヤレスディスプレイ技術を使うと、そばに置くだけで映画などのコンテンツをより大きな画面のディスプレイで楽しめるようになる。
「現在、映像の世界では4Kが立ち上がりつつあります。また5K、8Kという世界も順に訪れます。加えて、表面の質感など新しい情報を伝えるディスプレイなども登場してくるでしょう」
こうした強力で豊かな体験と両立していくのが省電力化だ。2-in–1向けデバイスに搭載されるCore Mは、ファンがない設計を可能にした上で、4.5Wという通常時の電圧を実現している。同世代のプロセッサは15W以上のモデルも存在していることから、驚くほど低い電力での動作を実現しているのだ。
バッテリーに対する処理能力が向上すれば、小さなバッテリーで長時間駆動ができ、本体の重さは軽くなる。それだけでなく、モバイル環境に置いても、より負荷がかかる処理をこなすパワフルな状態での駆動時間も延ばすことができる。
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