半導体不足だけでない「新車の納期遅れ」の真実 販売店の現場で聞いたメーカーそれぞれの事情

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ランドクルーザーの納期が4年以上に遅延している理由は、新型コロナウイルスの影響というより、生産計画にあったのだ。同様のことがホンダ「ヴェゼル」にも当てはまる。

ヴェゼルの納期を販売店に尋ねると「売れ筋となるe:HEVの『Z』は、9カ月から1年を要する。さらに『PLaY』は、納期が1年を超えたので、現時点では受注を中止している」と返答された。

ヴェゼル e:HEV PLaY(写真:本田技研工業)

なぜ、PLaYグレードの納期は、そこまで延びたのか。この点について開発者は「PLaYが、ここまで人気を集めるとは予想できなかった」という。要は、メーカーの予想と実際の需要が食い違い、納期を大幅に延ばした。そこに新型コロナウイルスによるパーツやユニットの供給不足が、追い打ちをかけている。

スズキ「ジムニー」の納期も長い。2018年の発売直後からすでに4年近くが経過するのに、ほとんど縮まらない。販売店では「メーカーは以前に比べて生産台数を増やしたが、納期は一貫して約1年で変わらない。生産台数を増やすに従って、注文も増えている」という。

ジムニーの発売直後の届け出台数は、1カ月当たり1800台前後だった。それが2021年には、2倍近い3285台に達したが、納期は以前と同様に約1年を要する。ジムニーの納期遅延が始まったのは2018年だから、原因は新型コロナウイルスだけではない。

国産メーカーとは異なる輸入車の納期事情

輸入車にも納期の長い車種が多い。フォルクスワーゲンの販売店は、以下のように述べた。

「昨年、新型となった『ゴルフ』の納期は長い。一部の在庫車を除くと、ハッチバックでも7カ月以上で、スポーティグレードのGTIなどはさらに延びる。ワゴンの『ゴルフヴァリアント』は1年以上に達する。新型コロナウイルスの影響もあるが、メーカーの生産計画や海外需要の増加が響いている」

ゴルフ(写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

この影響もあり、輸入車の販売ランキングにも変化が生じた。これまで輸入車登録台数の1位といえばゴルフだったが、2021年は1位が「ミニ」シリーズ(BMWミニの全車合計)、2位はフォルクスワーゲン「Tクロス」、3位はBMW「3シリーズ」、4位はボルボ「60シリーズ」で、ゴルフは5位だった。

フォルクスワーゲンの販売店では、ゴルフの順位が大幅に後退した理由を以下のようにコメントしている。

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