「りえさんとは、毎日のLINEはしていますがまったく会えていないので、この先はないという気持ちが強くなりました。くみさんは、まだ交際1カ月ですがLINEもデートも順調なので、今後はこちらの交際に力を入れたいです。今週末もくみさんに会うので、僕との交際にどのくらい前向きなのかを、それとなく聞いてみようかと思います」
そして、くみとデートを終えると、今度はこんな連絡がきた。
「結婚の話をしたら、くみさんから『専業主婦って、どう思いますか?』と聞かれたんです。前の結婚のことが頭をよぎって、僕の顔が曇ったんだと思います。彼女の会話のテンションが急に下がって。で、それから会話が全然弾まなくて、気まずい雰囲気で別れました。それからと言うもの、彼女のLINEの返信がすごくそっけなくなりました」
婚活女性は待ちに徹する人が多い、のか?
そこから1週間後に「面談をしたい」という申し出があり、事務所にやってきたかずひとは、ため息混じりに言った。
「りえさんにもくみさんにもLINEを入れていたのは、いつも僕からでした。りえさんとはコロナで会えなくなる、くみさんとは専業主婦の話をして以来雲行きが怪しくなる。そこで、向こうからLINEが来るまでは、こちらからは入れるのをやめました。そうしたら、2人とも1週間音信不通になりました。このまま交際終了になると思います」
そして、憤慨した口調で続けた。
「婚活している女性って、男性にばかり舵取りをさせて、待ちに徹する人が多いですよね。こちらが連絡をしなければ、ずっと放置をする。こちらが行動をしなければ、自然消滅的に関係が終わっていく。本当に結婚する気があるのかなぁ」
確かに待ちに徹する女性は多いので、こう言いたくなる気持ちはわかるが、女性たちがなぜそうしているのかを、かずひとはその本当の理由がわかっていない。
さとえ(37歳、仮名)は、国立大卒、年収750万円のバリキャリだ。その華やかな経歴に加えて、涼しげな顔の美人でスタイルもいい。20代は男性にかなりモテただろうし、会社の上司や取引先の人たちにも、チヤホヤされたに違いない。
そんな彼女が私の相談所でお見合いを始め、7カ月が経とうとしていた。お見合いの申し込みも多かったし、そのなかからお見合いをして、お付き合いに入ることもあったのだが、何度か会うと、さとえから交際終了を出していた。
「いい人なのはわかるのですが、その先に結婚があるかと考えると、それがイメージできないんですよね」
そして、これは婚活の常なのだが、申し込みは多いものの、自分から申し込みをかける人からは断られてしまうことが多かった。先日も、40歳、国立大卒、年収1500万のハンサムな男性に申し込みをかけたのだが、辞退で返ってきた。
さとえは、私に言った。「もうこの年になったら、妥協しないと結婚できないのでしょうか」。
「お見合いしても、ピンとくる方がいない。 “お会いしてみたいな“と思って申し込みをかければ、辞退で返ってくる。婚活で女性が求められるのは、若さですよね。男性の37歳である程度収入があれば、まだ選べるんでしょうけど、女性の37歳はもう選べない。申し込みがくるのは年の離れたオジサンばかりだし。男女平等の社会なのに、婚活の世界では不平等。年齢の面では女性が圧倒的に不利ですよね」
さらに、続けた。
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