地味だが大事な一歩が踏み出されつつある。エビデンスに基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making:EBPM)の話だ。EBPMが官僚や研究者、さらに永田町の政治家にも浸透して数年。政府の最重要方針と予算策定を舵取りする「骨太の方針」にも毎年のようにこの4文字が躍る。
だが、もくろみどおりEBPMが実現した話は聞かない。理由は単純。エビデンス作りに不可欠なデータが足りないのだ。
自治体や古い企業のデータ活用に関わる研究者には、分析以前に、紙のデータのデジタル化作業に絶望した経験のある人が多いに違いない。データそのものが存在していない場合も多い。EBPMを進めるにはまずデータだ。
そこに追い風が吹いた。コロナ禍にも後押しされたデジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の機運、そしてそれに呼応する形で菅義偉政権が立ち上げたデジタル庁の始動だ。
デジタル庁をはじめとする諸官庁は年初に「教育データ利活用ロードマップ」を発表した。教育や校務の中で生じた情報をデジタル化して保守、維持管理し、EBPMなどに使っていくための戦略だ。
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