近年、メルカリやトヨタ自動車などがSTEM分野を専攻する女子学生を対象に奨学支援を行っている。STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の総称だ。
これらの分野の職業に従事する女性は極めて少ないが、性別に偏りのないグループのほうがチームワークや生産性が高く、斬新なアイデアが生まれやすいことを経済・経営分野の複数の研究が指摘している。STEM分野における女性の人材確保は喫緊の課題だ。
大学など高等教育でSTEM分野を専攻する女性の割合が低いことは多くの先進国にも共通する傾向だが、日本の大学では理学部で約30%、工学部で約15%ととくに低い。STEM分野を選択する女性が少ない原因やその改善策については、米国を中心に、多くの調査・研究が蓄積されてきた。
ここでは、筆者がスウェーデンのウプサラ大学助教授の奥山陽子氏と収集したデータを基に、日本のSTEM系学部の女性比率について考察する。大学・学部ごとの女性比率は、旺文社『大学の真の実力』に掲載された2019年度入学者の情報を基にした。大学、学部の情報は統計分析が可能な形では公開されておらず、筆者の研究グループではデータ構築に力を入れている。
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