日用品メーカー最大手の花王が製品の大幅値上げに本腰を入れている。これに食品スーパー・オーケーが反発。値上げ作戦の帰趨はいかに。
「花王(株)、花王グループカスタマーマーケティング(株)より大きな仕入れ価格値上げの申し入れがありました。これに伴い、1月31日(月)より以下の対応をとらせていただきます」
東京や神奈川に約130店を展開する食品スーパー「オーケー」の日用品売り場。そこには「花王(株)製品について」というお知らせが掲げられていた。目を引くのは「販売中止(145品目)」の文字。花王の製品は消費者にとってなじみ深いだけにただ事ではない。
今までとは次元が異なる原料高
オーケーは販売を中止した商品名を明らかにしていない。ただ、例えば花王の「バスマジックリン」は浴室用洗剤でシェアトップ。発売中止にした品目はオーケーが取り扱う花王製品の3割にあたり、バスマジックリンのような有名ブランド製品を販売中止にすると、日用雑貨の販売力が低下しかねない。
オーケーは花王との取引の詳細は明かさないとした上で、「トップシェアのブランドかどうかにかかわらず、弊社が吟味した商品をお客様におすすめをしております」と、同社は説明する。
オーケーの2020年度の売上高は約5000億円で、食品スーパー業界の中では上位に位置する。首都圏のスーパーではマルエツを上回り、ヤオコーと同規模だ。取扱商品の3割とはいえ、販売が中止になるのは花王にとっても痛手のはず。しかしそれでも、花王には値上げを進めなくてはいけない厳しい事情がある。
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