「聞く力」といえば、少し前ならベストセラーの書籍名を思い浮かべた。最近では岸田文雄首相のモットーとして知られる。
この言葉で筆者が思い出すのはかつて仕えた経営者だ。当時、筆者は彼のあいさつ原稿を書いていた。ある日、彼から「来週、会合でA氏に会う。当方が伝えるべきことは何か」と問われた。
若かった筆者は必死に考えて案を出した。会合後、感謝の言葉とともに「君の案を使わせてもらったよ」と告げられた。単に「聞いてもらった」以上に、自分の言葉が届いたことに喜びを感じた。
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