冷戦終結は人類史上初めて世界の経済を一体化させた。サプライチェーンは国境や体制を超えてつながり、その果実を最も享受した中国は世界第2位の経済大国にのし上がった。一方、ロシアは世界経済につながった機会をまったく生かせず、今や経済力は韓国以下に低迷している。
独り負けとなり、失うものもあまりないロシアが、唯一残る巨大な軍事力にモノを言わせて冷戦後の秩序への挑戦を始めたのがクリミア併合以来の経緯だ。しかしどのような動機であれ、今回のプーチンの賭けは大失敗だった。
まずドイツを、彼ら自身が長年抑制してきた軍事力の再強化に走らせてしまった。これはロシアが最も避けたかったことのはずだ。北欧やスイスの中立も揺らいでいる。NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大を阻止しようとして、逆にドイツの軍拡とNATO拡大の胎動を招いてしまった。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら