2021年の北朝鮮はおとなしかった。最高指導者・金正恩(キムジョンウン)総書記がやせたということが最大のニュースだったかもしれない。もちろん、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)をはじめ8回のミサイル発射実験といった軍事挑発はあったが、米国への対抗姿勢のトーンは総じて低かった。
ただ、目を凝らすと変化も見える。金総書記の現地指導の回数は72回と前年と比べ5回減り、しかも軍部隊など軍関係の視察が1回もなかった。軍関係の現地指導が全体の半分を占めていた2020年からすれば、かなりの変化だ。
これは経済制裁の緩和を引き出したい北朝鮮からのシグナルとの見方がある。米国や韓国に対して対話を誘いかける下準備とも受け取れるからだ。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領も南北対話には前向きで、朝鮮戦争の終戦宣言締結を呼びかけている(→関連記事へ)。米国も、バイデン政権が北朝鮮に対し「条件なしの対話」を提案している。米朝協議には、中国も肯定的だ。
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