2021年の年明け時点で中国政府は景気見通しに総じて楽観的であった。「急な方向転換はしない」としつつも、コロナ危機に対応するため踏み込んでいたマクロ経済政策のアクセルを緩め、政策の正常化を進めてきた。
しかし、2021年後半に入ると景気が予想外に減速した。GDP成長率前年比は、第2四半期の7.9%増から、第3四半期4.9%増に減速した。コロナの影響があり、前年比の成長率では評価しづらい面があるが、前々年比年率でみても、第2四半期の5.5%増から第3四半期は4.9%増に低下しており、減速感は否めない。輸出が予想以上に好調を維持しているものの、内需が振るわない。固定資産投資が減速しているほか、消費を示す社会小売売上高も戻りは鈍い。
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