深夜営業をやめ、今後の成長へ小型店の出店拡大にも力を入れるサイゼリヤ。コロナ後も生き残る飲食店の条件は何か、堀埜社長が明かした。
深夜営業がなくても利益は出せる
――コロナ収束後も、原則として22時以降の深夜営業をやめる方針を掲げました。
コロナ禍でいったん身についた消費者の生活様式・習慣はなかなか戻らないと判断した。加えて、(時短要請を受けて)営業時間を短くしたことで、社員をほぼ全時間帯に配置できるようになった。顧客満足度向上という観点からもメリットが大きい。
深夜営業の継続は、経費と無駄が発生しすぎる。労務費の観点でいえば、深夜の割増手当がかさむし、公共交通機関を使って帰れない従業員向けの駐車場代や寮費も必要だ。シミュレーションを組んでみたら、深夜営業をやらなくても利益が出ることがわかった。
深夜帯の営業を誰が担っていたかというと、多くは外国人労働者だ。コロナの長期化もあり、彼らの戻りにはなかなか期待できない。これからとくに深夜帯の労働市場はコロナ前よりレッドオーシャンになり、募集にさらなるコストや労力がかさむだろう。
――実際、外食各社はここ最近口をそろえて「人手不足の再燃」を課題に挙げるようになりました。
そこで、(人の確保が)厳しい深夜を捨ててみようという判断になった。
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