コロナ禍でも好調ぶりが目立ったモスバーガー。巣ごもり特需だけではない成長の理由、目下進めている店舗の多様化などについて中村社長が語った。
消費行動は単純にコロナ前に戻らない
――コロナ禍でも売り上げが成長を続けられた理由をどう分析していますか。
テイクアウトやデリバリーという強みをしっかりと磨き上げられたことが大きい。もともと2019年10月の消費税増税以降は持ち帰りの需要が高まると見越して、持ち帰りも意識した商品戦略に力を入れていた。
テイクアウトはイートインよりも品質が落ちてしまいがちなので、保水性の高いバンズを投入するなど、いろいろな施策を講じた。コロナ禍でも、主力商品である「モスバーガー」のミートソースを改良して粘度を高めるなど、店内で食べても持ち帰って食べてもおいしい商品設計を意識した。
宅配の対応店舗数は、2020年3月末時点では243店舗だったが、2021年9月末には542店舗にまで拡大した。従来55%ほどだった店外(テイクアウトと宅配)の売り上げ比率は、コロナ禍で最大8割程度にまで上昇した。
――2019年4月には「マーケティング本部」を新設するなど、マーケティング戦略を大きく見直しました。その効果も大きい?
マーケティング改革はコロナ禍でも奏功した。以前は「美味しいものを作れば顧客が来てくれる」というプロダクトアウト的な考え方で商品を作っていた。
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