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ビザスク「小が大を飲む買収」に踏み切った舞台裏 瓜生COO「成長や時間を買わせてもらえた」

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ポストコロナの時代に、GAFAMのような「成長企業」を日本も生み出せるのか。世界の産業ルールが変わり始める中、躍進銘柄のトップと戦略に迫る。

ビザスクの瓜生COOは「上場したことで知名度や安心感の向上は加速した」と強調する(撮影:今井康一)

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2020年3月に上場したビザスクは、ネットや文献調査ではわからない専門領域の情報や消費者の声などに知見を持つアドバイザーと顧客を繋ぐ、1時間程度のスポットコンサルを仲介する。
顧客は専門家から話を聞くことで、従来よりも効率よく情報収集を行える。銀行やコンサルティング会社、電機メーカーなど幅広い会社が業種を問わず利用しているという。
現在、企業の現職者やOB・OGが登録するアドバイザーは16万人超(ビザスク単体)に達する。日本のスポットコンサル事業では、ユーザベースなど上場企業も参入しているが、圧倒的な存在感を示している。
2021年8月、そんなビザスクが次なる成長の一手として発表したのが大型買収だ。アメリカで同業を営む「コールマン」を買収。ビザスクの営業収益が約19億円の一方、コールマンは約40億円と2倍の差があり、「小が大を飲む買収」と注目された。
現状の営業収益の5倍以上に当たる約112億円を費やす巨額買収の意図は何か。コールマン買収を先導したビザスクCOOの瓜生英敏氏を直撃した。

上場は成長を加速させる施策

――2020年3月上場時の時価総額は初値ベースで107億円、足元では565億円となっています(11月12日終値ベース)。上場後も持続的に成長するために、どういった戦略を考えていたのでしょうか。

私たちのビジネスモデルでは、知名度や安心感が重要だ。その観点で、上場は成長を加速させていくための1つの施策と位置づけていた。

2012年の創業来、私たちのバリューの1個目は”初めから世界を見よう”というものだ。いつかはグローバル進出すると思っていた。そのため、上場は国内ビジネス向けの施策であったと同時に、今後グローバル展開をするうえでの資金的な意味も持っていた。

(上場直前の20年2月期は営業収益9.8億円で)おそらく企業規模としては少し上場を急いだほうだろう。未上場でも成長がまったくできなかったわけではないが、上場したことで知名度や安心感の向上は加速したと思っている。

――いつごろからM&Aやコールマン買収を念頭に置いたのですか。

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