親密な取引先のリスク管理に死角はないか。

公私を分けず親交のある、みずほFGの佐藤会長とSBGの孫社長(右)(撮影:大澤 誠)
中小には厳しいが大手には甘い──。企業向け融資をめぐって、メガバンクをはじめとする銀行は、つねにそうした批判にさらされがちだ。
程度の差こそあれ、融資のスタンスに銀行間で大きな違いはないように思えるが、ことみずほ銀行に関しては「社長のネームバリューを基にして貸し込んでいるんじゃないか、というくらい大手には審査も金利も甘々な印象」(ファンド関係者)という声が、業界内ではよく聞かれる。
メガバンクともなれば、定量・定性両面で高度な信用リスク分析と与信管理をしているはずだが、それでもなお、みずほに対してそうした声が上がるのは、多くの人の頭に一部の大手企業との密接な取引関係が浮かんでいるからだろう。
その代表格が、孫正義氏率いるソフトバンクグループ(SBG)だ。下表を見てもわかるとおり、SBGの有利子負債とみずほの融資残高は、ほかの大手上場企業を圧倒する規模だ。

グループ傘下の通信キャリア、ソフトバンク(みずほを含む全体の銀行借入残高は1兆7725億円)の詳細は非公表だが、両社を合算したみずほの融資残高は、1兆円を優に超えるとみられている。
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