親密・系列企業は、みずほの支配を嫌い離脱する。
「みずほのリテール戦略の骨格が出来上がった」
2004年8月。都内で記者会見したみずほ銀行の杉山清次頭取(当時)は力を込めてこのように語った。
この日、みずほ銀行と、流通系カード最大手のクレディセゾン、そしてみずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のユーシー(UC)カードの3社は、クレジットカード事業で戦略的業務提携を締結。UCのカード発行業務をクレディセゾンに移管、逆にUCはクレディセゾンから請求業務や与信管理などの事務部門の移管を受けると発表した。
当時、メガバンク各社は収益力の向上を目指し、有望とみられていたリテール分野のクレジットカードや個人向け無担保ローンなどの取り込みを図っていた。みずほも信販大手のオリエントコーポレーションと個人向けローンで提携しており、クレディセゾンを引き込むことで“パーツ”がそろったというわけだ。
ところがだ。その際、資本提携によって傘下に収めたほかのメガバンクグループとは違い、緩やかな提携にとどめたことがみずほにとって後々あだとなる。発表から15年が経った19年10月、みずほとクレディセゾンは業務提携を解消し、たもとを分かつことになってしまうからだ。両社は“盟友”関係にあり、一時は筆頭株主であったにもかかわらずだ。
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