国や自治体の後ろ盾がない私立美術館の経営基盤を、コロナ禍は直撃した。
コロナ禍の下、多くの美術館が入館者の減少に直面している。公益財団法人が運営する、つまり私立である美術館の経営への影響は深刻なはずだ。経営者(あるいは企業)のコレクションを母体とする、企業系の美術館3つの事例をみてみよう。
2020年1月、東京駅近くの高層ビルの1〜6階に、新美術館としてオープンしたアーティゾン美術館。建て替えを機に、ブリヂストン美術館から名称変更した。
15年から休館していたために、入館者数の減少については比較が難しいが、運営する石橋財団の西嶋大二常務理事は、「当初の想定とかなり違っている」と話す。20年4月に緊急事態宣言が出され6月下旬まで休館した。20年7〜10月に予定していた大型の企画展「モネ展」は、今年5月へと延期した。
コロナ対策の一環で、予約制を導入した美術館は多いが、アーティゾンでは新美術館の開館に合わせ予約制を導入することは決めていた。「従来の美術展のように入館者の数だけを追求するのではなく、ゆっくりと美術を楽しんでもらいたい」(西嶋氏)との狙いだ。若い世代が美術に触れる機会を増やそうと、従来は中学生以下が無料だったが、大学生までを無料にした。
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